西アフリカのベナン共和国(旧ダオメー)南部に居住するネグロイド系民族。人口約100万。コンゴ・コルドファン(ニジェール・コンゴ)語族クワ系諸語に属する言語フォン語を話す。ヤムイモ、キャッサバ、メイズなどを主作物とする農耕民である。社会は父系のクラン(氏族)を基盤とするが、17世紀にアボメーを首都とする王国(ダオメー王国)を形成、急速に勢力を拡大し、強大な帝国を築いた。その王は、アフリカの王権にはまれな、専制的権力をもち、すべての官吏の任命権を手中にしていた。この独裁的権力は、ヨーロッパとの奴隷交易による利益と、輸入された火器の独占によって支えられていた。フォンの宗教は、高度に階級分化の進んだ社会に応じて、系譜関係や役割によって階層化された多数の神々の信仰を中核とする。この神々の名称や性格、祭祀(さいし)は、東に境を接する民族集団ヨルバのそれと共通のものが多い。
[渡部重行]
スープやシチューの下地になるだし汁。ブイヨンより濃厚なだし汁で、フォン・ブルンfond brun(とび色のだし汁)と、フォン・ブランfond blanc(白いだし汁)の2種類がある。このほかに、フォン・ドゥ・ボライユfond de volaille(鶏肉と鶏(とり)がらのだし汁)、フォン・ドゥ・ジビエfond de gibier(野禽(やきん)獣のだし汁)、フォン・ドゥ・ポアソンfond de poisson(魚のだし汁で、フュメ・ドゥ・ポアソンfumet de poissonともいう)などがある。
[小林文子]
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…その種類は数百種とも数千種ともいわれるが,すべて基本となる数種のソースの応用形であると考えられる。 ほとんどのソースの土台となるのはだしで,白色系のソースの土台となる〈白いフォンfond blanc〉と茶色系ソースの土台となる〈茶色いフォンfond de veau〉,鶏をはじめとする家禽(かきん)類の料理用の〈鶏のフォンfond de volaille〉,それに魚料理に用いる〈魚のフュメfumet de poisson〉がある。これにルーrouxをはじめとする種々のつなぎを合わせてソースが作られる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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