フォン(読み)ふぉん(英語表記)Fon

デジタル大辞泉 「フォン」の意味・読み・例文・類語

フォン(phon)

人間の聴覚を基準にした音の大きさのレベルの単位周波数1キロヘルツの純音の音圧レベルと同じ大きさに聞こえる音を、デシベルと同じ数値で表す。一般に、騒音の大きさをいうホンとは使い分けられる。→ホン

フォン(FON)

無線LANアクセスポイントを会員同士で共有し、インターネットに接続できるようにするシステム。また、同システムを運用するスペインの企業。自分無線LANルーターの一部を開放するかわりに、他の会員が設置したアクセスポイントを無料で利用できる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「フォン」の意味・読み・例文・類語

フォン

  1. 〘 名詞 〙ホン

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フォン」の意味・わかりやすい解説

フォン(民族)
ふぉん
Fon

西アフリカのベナン共和国(旧ダオメー)南部に居住するネグロイド系民族。人口約100万。コンゴコルドファンニジェール・コンゴ)語族クワ系諸語に属する言語フォン語を話す。ヤムイモキャッサバメイズなどを主作物とする農耕民である。社会は父系クラン氏族)を基盤とするが、17世紀にアボメーを首都とする王国(ダオメー王国)を形成、急速に勢力を拡大し、強大な帝国を築いた。その王は、アフリカの王権にはまれな、専制的権力をもち、すべての官吏の任命権を手中にしていた。この独裁的権力は、ヨーロッパとの奴隷交易による利益と、輸入された火器の独占によって支えられていた。フォンの宗教は、高度に階級分化の進んだ社会に応じて、系譜関係や役割によって階層化された多数の神々の信仰を中核とする。この神々の名称や性格、祭祀(さいし)は、東に境を接する民族集団ヨルバのそれと共通のものが多い。

[渡部重行]


フォン(料理)
ふぉん
fonds フランス語

スープやシチューの下地になるだし汁。ブイヨンより濃厚なだし汁で、フォン・ブルンfond brun(とび色のだし汁)と、フォン・ブランfond blanc(白いだし汁)の2種類がある。このほかに、フォン・ドゥ・ボライユfond de volaille(鶏肉と鶏(とり)がらのだし汁)、フォン・ドゥ・ジビエfond de gibier(野禽(やきん)獣のだし汁)、フォン・ドゥ・ポアソンfond de poisson(魚のだし汁で、フュメ・ドゥ・ポアソンfumet de poissonともいう)などがある。

[小林文子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フォン」の意味・わかりやすい解説

フォン
phon

音の大きさのレベルを表わす単位。記号は phon。周波数 1kHz,音圧レベル NdBの音の大きさのレベルを Nフォンとし,正常な聴者がこの音と同じ大きさに聞えると判断した任意の周波数の音の大きさのレベルを同じ数値 Nフォンで表わす。人間の聴覚は周波数によって違うので,異なる周波数の音ではデシベル単位ではかった音圧レベルの数値とフォン単位ではかった音の大きさのレベルの数値とは一致しない。たとえば 4kHz,約 75dBの音と 50Hz,約 85dBの音はともに 1kHz,80dBの音と同じ大きさに聞えるので,これらの音の大きさのレベルはすべて 80phonである。なおフォンは騒音レベルの単位ホンとは異なる。単位名はギリシア語のフォーネ (音) に由来する。 (→音の大きさ , ソーン )

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「フォン」の解説

フォン【fond(フランス)】

西洋料理、特にフランス料理に用いるだし汁で、主としてソースのもととする。ブイヨンよりも濃厚なだし汁で、材料を水から煮込んだ白色系のフォンと、材料をフライパンで炒めるか、オーブンで焼いて焦げ色をつけてから煮込む褐色系のフォンに大別される。白色系のフォンにはフォン・ブラン(fond blanc、「白いフォン」という意。子牛・鶏でとる)、フォン・ド・ボライユ(鶏のフォン)、フュメ・ド・ポワソン(魚のフォン)が、褐色系のフォンにはフォン・ブラン(fond brun、「茶色のフォン」という意。牛・子牛でとる)、フォン・ド・ボー(子牛のフォン)などがある。◇「基礎・土台」という意。

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

百科事典マイペディア 「フォン」の意味・わかりやすい解説

フォン

ホン

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のフォンの言及

【ソース】より

…その種類は数百種とも数千種ともいわれるが,すべて基本となる数種のソースの応用形であると考えられる。 ほとんどのソースの土台となるのはだしで,白色系のソースの土台となる〈白いフォンfond blanc〉と茶色系ソースの土台となる〈茶色いフォンfond de veau〉,鶏をはじめとする家禽(かきん)類の料理用の〈鶏のフォンfond de volaille〉,それに魚料理に用いる〈魚のフュメfumet de poisson〉がある。これにルーrouxをはじめとする種々のつなぎを合わせてソースが作られる。…

※「フォン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android