ベルンハルト(その他表記)Bernhard, prince of the Netherlands, prince of Lippe-Biesterfeld

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベルンハルト」の意味・わかりやすい解説

ベルンハルト
Bernhard, prince of the Netherlands, prince of Lippe-Biesterfeld

[生]1911.6.29. ドイツ,イェナ
[没]2004.12.1. オランダ,ユトレヒト
オランダ女王ユリアナ (在位 1948~80) の夫。フルネーム Bernhard Leopold Frederik Everhard Julius Coert Karel Godfried Pieter, prins der Nederlanden, prins van Lippe-Biesterfeld。ベルンハルト・カシミールの息子で,リッペ侯国最後の君主レオポルト4世の甥。ローザンヌ大学,ミュンヘン大学,ベルリン大学で法律学を学んだ。1933年以降ヒトラー親衛隊騎兵軍団に参加。パリでイー・ゲー・ファルベンに勤務したのち,1937年ユリアナと結婚。第2次世界大戦中,オランダ軍を率いてドイツ軍の侵攻に立ち向かったが,1940年5月14日,オランダが降伏すると残った将兵とともにイギリスへ亡命した。1940年8月オランダ陸海軍大佐となり,1944年オランダ軍総司令官として全オランダ軍を指揮した。終戦後はオランダ親善大使として国際貿易と文化活動の促進に努めた。1954年,著名な学識者や政治家たちによるビルダーバーグ会議を創設。1961年世界自然保護基金 WWF設立支援,初代総裁に就任。1976年,ロッキード事件をはじめとする贈収賄汚職に関与していたことが発覚。この件は憲法改正問題にまで発展し,王室威信は一時的に大きく傷ついた。

ベルンハルト
Bernhard, Thomas

[生]1931.2.10. マースリヒト近郊
[没]1989.2.12. グムンデン
オーストリア小説家劇作家。ヘールレン修道院に生れる。ザルツブルクウィーンで音楽と演劇を学んだのち,作家となる。『習慣の力』 Die Macht der Gewohnheit (1974) ,『大統領』 Der Präsident (75) など,旧態依然のオーストリア社会を痛烈に批判する戯曲を次々に発表。死の直前に上演された『ヘルデンプラッツ』 Heldenplatz (88) はその頂点と目される。

ベルンハルト
Bernhard von Sachsen-Weimar

[生]1604.8.16. ワイマール
[没]1639.7.18. ノイエンブルク
ドイツの軍人三十年戦争時代の新教派将軍。スウェーデン軍に入って急速に頭角を現し,スウェーデン王グスタフ2世 (グスタフ・アドルフ) 戦死後,スウェーデン軍を率いて勝利をかちとった。やがて皇帝軍の反撃にあって敗北すると,フランスに走り,フランスのためにドイツ皇帝と戦い,その最中に急死。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベルンハルト」の意味・わかりやすい解説

ベルンハルト
べるんはると
Thomas Bernhard
(1931―1989)

オーストリアの作家。マーストリヒトに生まれる。1968年オーストリア国家賞を受賞し、現代オーストリアでもっとも注目されている。ダイナミックなリズムを基調とする文体が特徴。「健全な」市民社会に、種々の抑圧によってデフォルメされた狂気と死の世界を対置する。少青年時代の体験を描いた五部の連作自伝小説『子供』『原因』『地下室』『呼吸』『寒さ』(1975~82)のほか、小説や戯曲など問題作が多い。

[藤村 宏]

『竹内節訳『石灰工場』(1981・早川書房)』

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世界大百科事典(旧版)内のベルンハルトの言及

【ザクセン・ウィッテンベルク】より

…ザクセン大公ハインリヒ獅子公が,皇帝フリードリヒ1世によって1180年に流刑に処せられた後,旧ザクセン大公国内の司教,世俗諸侯および都市が公爵権力から独立していき,ザクセン公国は旧大公国の東部,エルベ川流域に限定された。そしてこの大公国は,アスカニア家AskanierのベルンハルトBernhard(在位1180‐1212)に封与された。新しい公爵家は旧ザクセン大公のごとき強大な権力をもつことはもはやなかった。…

※「ベルンハルト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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