劣等財(読み)れっとうざい(英語表記)inferior goods

翻訳|inferior goods

改訂新版 世界大百科事典 「劣等財」の意味・わかりやすい解説

劣等財 (れっとうざい)
inferior goods

ある財が所得増加に対し需要が減少する,すなわち需要の変化が所得の変化と逆方向であるとき,その財を劣等財または下級財という。他方,同方向であれば,正常財または普通財という。〈価格下落がその財の需要を増加させる〉という需要法則が例外的に成立しない場合がある。それは,財が劣等財で,かつその所得効果代替効果を上まわる場合であり,このときとくにギッフェン財Giffen goodsと呼ぶ。マーガリンよりバターを好む消費者は,所得水準が上がるにしたがって,マーガリンの購入をひかえ,その分をバターの購入に当てるであろう。この消費者にとっては,マーガリンは劣等財となる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の劣等財の言及

【ギッフェンの逆説】より

…価格上昇が財の需要に及ぼす効果は,代替効果と所得効果に分解され,前者は,その財の需要を必ず減少させる。他方,所得の減少に対して需要を増加(減少)させる劣等財(正常財)であれば,所得効果は需要を増加(減少)させる。したがって,財が劣等財で,しかもその所得効果が代替効果を凌駕(りようが)するときにのみ,ギッフェンの逆説が生じる。…

※「劣等財」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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