…その意味で,労使関係も労使関係論もともに,まだ内容の流動的な,あいまいさを残した概念である。それにもかかわらず,第2次大戦前に普及していた〈労働問題〉や〈労資関係〉の用語に代わって,〈労使関係〉の用語が国際的規模で普及し,労使関係論という学問分野が急速に発展してきたことには,それなりの社会・経済的背景が指摘される。
[労使関係論発展の背景]
その第1は,労働者階級の地位の向上と産業民主主義の発展である。…
※「労働問題」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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