北川千代(読み)きたがわちよ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「北川千代」の意味・わかりやすい解説

北川千代
きたがわちよ
(1894―1965)

小説家、児童文学者。埼玉県大寄村(現深谷市)生まれ。私立三輪田高等女学校中退。17歳のとき『街はずれの記』で『女学世界』から初めて原稿料50円を得る。1915年(大正4)アナキズム作家江口渙(かん)と結婚。19年『赤い鳥』3月号に『世界同盟』を発表。以後、貧困者の生活をリアルに描いた童話少女小説を書く。37年(昭和12)処女童話集『父の乗る汽車』を出版。ほかに『おかあさんを売る店』『「汽車の婆(ばあ)」の話』など。少女小説開拓者としての業績を記念して69年(昭和44)に北川千代賞が設定された。

[西田良子]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「北川千代」の解説

北川千代 きたがわ-ちよ

1894-1965 大正-昭和時代の児童文学作家。
明治27年6月14日生まれ。江口渙(かん)と結婚,のち離婚。大正10年社会主義婦人団体赤瀾(せきらん)会に参加。少女小説「絹糸草履(ぞうり)」,童話「明るい空」などにまずしい人々の生活をリアルにえがいた。昭和40年10月14日死去。71歳。死後北川千代賞が設定された。埼玉県出身。三輪田高女中退。本名は高野千代。

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