家庭医学館 「扁平母斑」の解説
へんぺいぼはんちゃあざ【扁平母斑(茶あざ) Nevus Spilus】
扁平母斑は、一般的に茶あざと呼ばれています。形は類円形ないし不整形、色は均一に淡褐色をしており、表面は平らな母斑です。思春期前後に発症することが多いのですが、出生時からみられる場合もあります。
とくに10歳代ころに発症し、毛が生えているものをベッカー母斑といいます。「母斑細胞母斑(色素性母斑/黒あざ/ほくろ)」の母斑細胞母斑(ぼはんさいぼうぼはん)(黒あざ)とはちがって、母斑細胞はなく、皮膚の表面に色素をもった細胞が少し増えたものです。
[治療]
従来はドライアイス圧抵療法(あっていりょうほう)や皮削術(ひさくじゅつ)(皮膚を機械的に削る方法)がおもに行なわれてきましたが、現在はレーザー治療が主体となり、効果をあげています。ただし、しばしば再発するため、根気よく照射治療を続けることがたいせつです。
へんぺいぼはん【扁平母斑 Nevus Spilus】
皮膚面から隆起しない淡褐色の色素斑(しきそはん)で、大きさや形はさまざまです。小さい色素斑が多数集まっていたり、比較的均一な大きい色素斑であったりします。
発症時期は、出生時・乳幼児期と、思春期前後です。乳幼児に扁平母斑が数個以上あるときは、レックリングハウゼン病の可能性があるので、専門医を受診してください。
[治療]
色が淡い褐色調で、肌と違和感が少ないため、気にならなければ、むりに治療する必要はありません。レーザー治療を行なうことが多いのですが、色が薄れる場合と、逆に濃くなる場合があります。そのほか、ドライアイス治療や、皮膚削り手術などが行なわれますが、効果はあまり満足できるものではありません。