祈禱性精神病(読み)きとうせいせいしんびょう(その他表記)invocations psychosis

改訂新版 世界大百科事典 「祈禱性精神病」の意味・わかりやすい解説

祈禱性精神病 (きとうせいせいしんびょう)
invocations psychosis

加持祈禱または類似の状況から起こり,人格変換,宗教妄想,憑依妄想などを発する特異な病態で,森田正馬(まさたけ)により名づけられた(1915)。感動をもとにして起こる一種の自己暗示性の精神異常とされ,狐憑きや犬神憑きつきもの)などもこれに含められたが,今日では,一家の不幸をはらうべく祈禱をつづけているうち,自分が祈禱の対象である神仏そのもののような言動を示しはじめるケースが代表例と見なされる。患者はほとんどすべて中年の婦人で,同様の体験が強固な信仰の出発点となった女性教祖は少なくない。外国に祈禱性精神病はないわけではないがごく少ないのに対し,日本には昔から多く,その限りで社会文化的要因の関与は疑えない。
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