神楽河岸(読み)かぐらかし

日本歴史地名大系 「神楽河岸」の解説

神楽河岸
かぐらかし

[現在地名]新宿区神楽河岸

牛込御門―船河原ふなかわら橋間の外堀沿いの河岸地。江戸時代に河岸地であったのは牛込揚場うしごめあげば町に付属する河岸(物揚場)のみで、揚場河岸とよばれていた。近代に入って揚場河岸を含めた一帯堀端の地を神楽河岸と総称するようになった。江戸時代の揚場河岸には惣物揚場が二ヵ所、尾張藩の物揚場が一ヵ所あった。前者は享保一七年(一七三二)に町奉行大岡忠相から設置を許された。当初この物揚場の積荷は神田川筋の船鴨御用江戸川に鯉をためる御用の際には取除いていたが、逆に鳥が寄らなくなってしまうとして、文化七年(一八一〇)にそのまま荷を置くことが認められた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報