繊維周期(読み)センイシュウキ

化学辞典 第2版 「繊維周期」の解説

繊維周期
センイシュウキ
fiber period

繊維試料のX線図における繊維軸方向の繰り返し周期.すなわち,恒等周期(identity period)をいう.繊維などの結晶性高分子は,多数の微結晶が繊維軸とある程度平行に配列しているので,そのX線図は繊維図形を与える.この場合の干渉図形は,単結晶の回転法の条件とデバイ-シェラーの粉末図形の条件を満たしているから,Polanyi層線とデバイ-シェラー環(デバイ-シェラー法)の交点が干渉点となる.したがって,Polanyi層線の条件,

nλ = I sin μn (n整数)

により,結晶格子間隔Iは,開口角 μn から容易に決定される.ここに,λはX線の波長μn は第n層線を望む角である.この周期Iを繊維周期という.これは単位格子のc軸(分子鎖軸)方向の長さを与える.繊維周期は整数個の化学構造単位で構成されている.たとえば,ナイロン6の繊維周期は化学構造単位2個よりなり,1.72 nm である.ポリエチレンは化学構造単位1個よりなり,0.2534 nm である.らせん構造をもつ高分子では,ポリ(オキシメチレン)は 95 らせん(-CH2O-単位9個で5回らせん)で1周期を形成し,1.73 nm,ポリエチレンオキシドは 72 らせんで1.93 nm である.ポリペプチドαヘリックスは 185 らせんで1周期を形成し,2.7 nm である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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