微小な結晶粉末,あるいは金属のような微小結晶の集合体によるX線回折写真撮影法.P.J.W. Debye(デバイ),P. ScherrerおよびA.W. Hullが考案した.単色X線を配向していない結晶性粉末試料に投射すると,結晶粒はあらゆる方向に向いているため,ブラッグ条件を満足する網面は必ず多数存在し,θ1,θ2,…などの円すい面上に生じる.したがって,入射X線に垂直に写真フィルムを置くと,入射X線の当たった点を中心とするいくつかの同心円として回折線が記録される.このような回折図形をデバイ写真または粉末写真といい,個々の回折環をデバイ-シェラー環という.一般には,試料を中心にした円筒フィルムを使用する.集中法X線カメラは,能率的に質のよい回折図形を得るために工夫されたものである.ブラッグ角が90°に近い回折線を背面反射法で記録すると,格子定数をきわめて精密に(1/3000 nm)求めることができる.現在では,この回折線を観察するために自動X線回折計が用いられることが多く,一部の簡単な物質の構造解析にも使われるが,未知試料の同定や分析にもっともよく利用される.なお,この方法は電子線回折でも用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新