いかだ

精選版 日本国語大辞典 「いかだ」の意味・読み・例文・類語

いかだ【筏・桴・

〘名〙
① 横に並べた木材や竹を蔓(つる)や縄でつなぎ合わせて、水に浮かべ流すもの。奥山からの木材の運送の手段とし、また、舟の代用ともする。
書紀(720)白雉四年七月(北野本訓)「門部金(かどべのこがね)竹を採りて筏(イカダ)に為(つく)りて」
近世武具の小具足(こぐそく)の鎖に付随する、長方形反りのある金物。いかだがね。
③ 紋所の名。筏にかたどったもの。花筏(はないかだ)など。
④ (串にさした形が筏に似ているところから) 小鰻(こうなぎ)のかばやき。
[語誌](1)挙例の「書紀‐白雉四年七月」の記述、および「十巻本和名抄‐三」に「桴・筏 編竹木大曰筏、小曰桴〈以賀多〉」とあるところから、主に竹あるいは木で作り、その大小によってそれぞれ「筏」「桴」字を当てたことがうかがわれる。
(2)「常陸風土記‐行方」の「厳しく海渚に餝ひ、舟を連ね、を編み」の例は、多くの舟を横につなぎ並べて船橋としたものであろう。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android