すくすく(読み)スクスク

デジタル大辞泉 「すくすく」の意味・読み・例文・類語

すく‐すく

[副]
勢いよく成長するさま。「すくすく(と)育つ」
樹木などがまっすぐにのびているさま。
「―した新樹のような若さに打たれながら」〈秋声仮装人物
弱々しく泣くさま。しくしく。
「―泣いている声がしていたというので」〈左千夫野菊の墓
勢いよく順調に進むさま。
楽浪道ささなみぢを―と我がいませばや」〈・中・歌謡

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精選版 日本国語大辞典 「すくすく」の意味・読み・例文・類語

すく‐すく

〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① とどこおりなく速やかに進んで行くさま、また、元気に勢いよく成長するさまを表わす語。ずんずん。ぐんぐん。どんどん。
古事記(712)中・歌謡「階(しな)たゆふ 楽浪道(ささなみぢ)を 須久須久(スクスク)と 我がいませばや」
※竹取(9C末‐10C初)「此の児(ちご)養ふ程に、すくすくと大きになりまさる」
② よそに心を向けないで、ただひたむきに進んで行くさま、飾らず率直に行なうさまを表わす語。
※夜の寝覚(1045‐68頃)二「いづかたにもいと聞きにくく苦しくなど、うたがひなくすくすくと言ひつづけたるを聞き給ふ心地」
③ 樹木などが、高くまっすぐにのびているさまを表わす語。
夜行巡査(1895)〈泉鏡花〉二「路傍(みちばた)にすくすくと立併べる枯柳の」
④ しくしく泣くさまを表わす語。
野菊の墓(1906)〈伊藤左千夫〉「すくすく泣いてゐる声がしてゐたといふので」

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