ずんど(読み)ズンド

デジタル大辞泉 「ずんど」の意味・読み・例文・類語

ずん‐ど

[副]日葡辞書では「づんど」と表記
動作を勢いよくすばやくするさま。さっと。
「肩を―躍り越えてぞ戦ひける」〈平家・四〉
程度の差がいちじるしいさま。ずっと。
「是等は―上代の事にして」〈洒・跖婦人伝〉
(下に打消しの語を伴って)まったく。少しも。
「取り上げばばあとも見えず、―よめぬ婆だわえ」〈伎・助六

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精選版 日本国語大辞典 「ずんど」の意味・読み・例文・類語

ずん‐ど

〘副〙 (「づんど」とも表記した)
① 動作を勢いよく突然にするさま、滞りなく力強く行なわれるさまなどを表わす語。すっくと。さっと。
※平家(13C前)四「肩をつんとをどりこえてぞたたかひける」
浄瑠璃・夏祭浪花鑑(1745)二「父は始終黙然としてゐたりしが、ずんど立て礒之丞を白洲へはったと蹴落し」
② 程度、時間、距離などの隔たってはなはだしいさまを表わす語。きわだって。非常に。大そう。全く。
※土井本周易抄(1477)一「つんどさきへ進まうどすれども」
※浄瑠璃・鑓の権三重帷子(1717)下「ずんど早ふ出る船があらば乗たいと」
③ (下に打消の語を伴って) 全く。決して。すこしも。さっぱり。
※足利本論語抄(16C)憲問第一四「づんどのかれまい処では命を棄る也」
※本然気質性講説(17C後)「人参は人参、白朮は白朮、それぞれが性をばずんど交へずおる也」

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