サライコーラ遺跡(読み)サライコーラいせき(英語表記)Sarai Khola

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サライコーラ遺跡」の意味・わかりやすい解説

サライコーラ遺跡
サライコーラいせき
Sarai Khola

パキスタンタキシラ遺跡のビールマウンドの南西約 2.5kmにある遺跡。 1968年以降,パキスタン考古局が発掘調査を行い,4期の文化層が認められた。I期は新石器時代後期 (前 3100~2800頃) で石斧や石刃と赤色磨研土器がある。 II期は土器は轆轤 (ろくろ) 製で,コト・ディジ式土器が加わり次第に優勢となる。建築址も発見され,装身具,銅製品,テラコッタの人物像などもあり,前 2800~2400年頃と考えられている。 III期は墓地となり2期に分けられる多数の墓が発見されている。後期では墓壙上を多くの石でおおっている。前・後期とも副葬品を伴わず伸展葬であるが,性別などにより若干姿勢に変化がある。少くとも後期は鉄器時代に入り,前 1000年頃とされる。 IV期は7~8世紀の歴史時代に属する。この地域の先史時代編年の空白を埋める遺跡として重要。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android