タクール族(読み)タクールぞく(英語表記)Thakur

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タクール族」の意味・わかりやすい解説

タクール族
タクールぞく
Thakur

(1) ヒマラヤ中央高地のベリ川とカルナリ川の間に居住する先住民。インド系ネパール人に近い容貌をもち,言語は,チベット=ビルマ語族に属する。生業ヒエトウモロコシを段々畑につくり,ヒツジ,ヤギなどの家畜飼育を行う。宗教的にはヒンドゥー教化している。このなかのある者はネパールの王族系譜的関係をもち,ネパール軍の中枢を形成する。

(2) ラージプートともいう。中部および北部インド,特にラージャスターン州に居住する土地所有者に対する総称みずからクシャトリヤに位置づけているが,階層幅は広く高貴な身分をもつ氏族から貧農にいたるまでさまざまである。北西部ではイスラム教徒が多く,一般に女性は人前に出ない習慣がある。4つの系譜に分れており,婚姻上昇婚を志向している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android