ディキスの石球のある先コロンブス期の首長制集落群(読み)ディキスのせっきゅうのあるせんコロンブスきのしゅちょうせいしゅうらくぐん

世界遺産詳解 の解説

ディキスのせっきゅうのあるせんコロンブスきのしゅちょうせいしゅうらくぐん【ディキスの石球のある先コロンブス期の首長制集落群】

2014年に登録された世界遺産(文化遺産)。コスタリカ南部、ディキス地方のデルタ地帯にある考古学遺跡群。紀元500~1500年頃の先コロンブス期に栄えたディキス文化の4つの遺跡群の構成資産からなる。1930年代初頭に密林で開墾者によって、真球に近い石の球体が大小合わせて200個以上発見された。これらの石は石灰岩製の一部を除き、すべてが花崗岩でつくられており、その多くはほぼ完璧な球形に成形されている。直径0.7mのものから最大2.57m、重さ25tにも及び、その目的は未だ不明だが、石球製造者は幾何学的知識と高度な成形技術を併せもっていたと考えられる。石球の一部はコスタリカの首都サンホセ市内の公園や公邸などさまざまな場所に、庭石や飾り石として保存されている。中央アメリカ南部の当時の首長制社会の様子を示す貴重な例証として評価され、世界遺産に登録された。◇英名はPrecolumbian Chiefdom Settlements with stone spheres of the Diquís

出典 講談社世界遺産詳解について 情報