バリャーグ人(読み)バリャーグじん(英語表記)Varyagi; Væringingjar; Varangians

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バリャーグ人」の意味・わかりやすい解説

バリャーグ人
バリャーグじん
Varyagi; Væringingjar; Varangians

今日の歴史学でロシア方面へ進んだスウェーデン系バイキングをさす。元来ビザンチン帝国の皇帝親衛隊の名称。 11世紀には主として北ヨーロッパ人から構成され,そのためロシアの古い年代記はスウェーデン人,アングル人,ノルマン人をバリヤギと呼んでいた。彼らはノブゴロドからドニエプル川を通ってキエフ,コンスタンチノープルさらにアテネにいたる「バリャーグからギリシアへの道」を利用し,またボルガ川によってブルガール (ブルガリア) 方面に通商活動を行なった。彼らは隊商であると同時に軍隊でもあって,しばしば東スラブ人の村や町を略奪した。傭兵団としてその活動はロシア年代記に繰返しみえ,リューリク朝の祖リューリクは,バリャーグ人の族長であるとされている。ロシア国家は彼らの建設になるとする学説 (ノルマン説) をめぐって論争があるが,少くとも彼らが国家成立期のロシアで有力な武装力であったことは確かであろう。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android