隊商(読み)タイショウ(英語表記)caravan

翻訳|caravan

デジタル大辞泉 「隊商」の意味・読み・例文・類語

たいしょう【隊商】[書名]

原題、〈ドイツDie Karawaneハウフ童話集。1826年刊。枠物語体裁をとり、東方世界を幻想的に描いた作品集。「幽霊船物語」「こうのとりになったカリフ」などの作品を収める。別邦題「キャラバン」。

たい‐しょう〔‐シヤウ〕【隊商】

砂漠地方などで隊を組んで旅する商人一団。キャラバン。
[補説]書名別項。→隊商
[類語]キャラバン

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精選版 日本国語大辞典 「隊商」の意味・読み・例文・類語

たい‐しょう ‥シャウ【隊商】

〘名〙 砂漠を隊を組んで通行する商人の集団。キャラバン。
米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉四「其初め遊牧人民に交り、亜細亜北部なる漠野に、隊商往来の業に習慣をなしたるによる」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「隊商」の意味・わかりやすい解説

隊商
たいしょう
caravan

おもに内陸アジアや北アフリカの砂漠や草原地帯を安全に交通し貿易するために,ラクダウマなどを運搬・乗用手段として隊伍を組んで商品を運ぶ商人や,巡礼者,旅行者の団体。キャラバンともいう。シルクロードやステップロード(→草原の道)に基づく東西交易,文化交流の主要な担い手として古くから活躍した。ヨーロッパ人の新航路発見(→大航海時代)以来,海上交通の隆盛で重要度が低下し,近代的交通手段の発達に伴って決定的に衰えたが,いくつかの重要な隊商路は 19世紀まで使われ,今日でも一部の地域で存続している。隊商商人として,中央アジアや西アジアのオアシス都市出身者が活躍したが,特にソグディアナ地方のイラン系住民ソグド人が最も有名。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「隊商」の解説

隊商(たいしょう)
caravan

ラクダや馬などの家畜に荷を積んで移動する商人や巡礼,旅人の隊列。語源はペルシア語。西アジア,中央ユーラシアをはじめとする内陸部では,近代に至るまで行路の安全と効率を図るための主要な移動手段であった。隊商は草原や砂漠,山岳を越え,都市やオアシスを結びつけるルートを縫って縦横に行き交った。ルート沿いの集落や都市には隊商宿(キャラヴァンサライ)が設置され,そこが地域間貿易の拠点となり,それらがつらなって内陸遠距離貿易や文化交流を成り立たせた。

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改訂新版 世界大百科事典 「隊商」の意味・わかりやすい解説

隊商 (たいしょう)

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百科事典マイペディア 「隊商」の意味・わかりやすい解説

隊商【たいしょう】

キャラバン

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世界大百科事典(旧版)内の隊商の言及

【キャラバン】より

…ペルシア語カールバーンkārvānに由来し,隊商を意味する。アラビア語ではイール‘īr,カーフィラqāfila,キタールqiṭārという。…

※「隊商」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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