精選版 日本国語大辞典 「ボルガ川」の意味・読み・例文・類語
ボルガ‐がわ ‥がは【ボルガ川】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
ヨーロッパ・ロシアを流れてカスピ海に注ぐヨーロッパ最大の大河。長さ3531キロメートル(ダムの建設までは3690キロメートル)、流域面積136万平方キロメートル。これはヨーロッパ・ロシア総面積の約3分の1にあたる。モスクワ北西のバルダイ丘陵に源を発し、水源付近に形成された人造湖セルゲイ湖を出ておおむね東流し、ニジニー・ノブゴロド付近で右岸からオカ川をあわせる。カザン付近で南に向きを変え、左岸からカマ川をあわせてボルガ高地の東縁を流下する。サマラ付近に「サマラの湾曲」Самарская Лука/Samarskaya Luka(英名Samara Bend)とよばれる大きな曲流がある。ボルゴグラード付近からは標高が海面下となり、分流であるアフトゥバ川とともに網状流となって南東に流れる。河口部には80余の分流をもち、広大な三角州をつくってカスピ海へ流入する。支流は数多く、おもなものは、モスクワの中心部を流れるモスクワ川を支流にもつオカ川、ウラル山脈の西麓(せいろく)の水を集めるカマ川のほか、スラ川、ベトゥルガ川、サマラ川などがある。また、最下流部の520キロメートルは支流がない。上流では11月下旬から4月中旬まで、下流では12月上旬から3月中旬まで結氷する。平均流量は、中流のニジニー・ノブゴロドで毎秒2970立方メートル、下流のボルゴグラードで毎秒8060立方メートル(信濃(しなの)川の約15倍)である。
[宇根 寛]
水源の60%以上が雪によって涵養(かんよう)されるため、ダム群構築以前には4~6月の雪解けで水位が急上昇し、しばしば氾濫(はんらん)した。1930年代から、発電、灌漑(かんがい)、治水、船舶航行などを目的とした「ボルガ改造計画」が実施され、ウグリチ、リビンスク、ニジニー・ノブゴロド、サマラ、ボルゴグラードなどのダム(貯水池)が、支流カマ川でもカマ、ボトキンスクなどのダムがつくられ、「ボルガ・カスケード」とよばれる階段状の河川となった。この結果、洪水はなくなり、濁水や渇水によって航行不能となることはなくなった。
流域は、ボルガ・ウラル油田のほか、石炭、岩塩、森林資源など、豊富な資源に恵まれている。また、その豊富な水量は重要な電力源として利用され、多くの発電所が建設されている。中流域は主要な穀物や工芸作物の生産地帯となっている。水産資源にも恵まれ、カワカマス(パイク)、ニシン、チョウザメなど70種以上の魚類がおり、漁業が盛んである。
[宇根 寛]
ボルガ川は、古代にはラー川、中世にはチリ川とよばれ、古くからアジアとヨーロッパを結ぶ重要な交通路であった。16世紀なかばにロシアがカザン・ハン国とアストラハン・ハン国を滅ぼして以後、ボルガ川に沿ってロシア人の移住が進み、また、ペルシアなどとの交易が盛んに行われるようになり、ボルガ川はロシアの重要な通商路となっていった。1937年に建設されたモスクワ運河、52年に完成したボルガ・ドン運河、63年に再建されたボルガ・バルト水路などで、黒海、カスピ海、バルト海、白海を結ぶ通路となってからは、物資輸送の大動脈としての役割をさらに増し、国民経済に益するところはきわめて大きい存在となった。ボルガ本・支流で合計1万7000キロメートルが可航河川となっており、ロシアの河川運輸のなかば以上がこの水系を通過している。木材、石油、石炭、穀物、岩塩、カリ塩、機械類などが運ばれる。おもな河港はトベリ、リビンスク、ヤロスラブリ、ニジニー・ノブゴロド、カザン、サマラ、サラトフ、ボルゴグラード、アストラハンである。
[宇根 寛]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
アデノウイルスの感染により、発熱、のどのはれと痛み、結膜炎の症状を呈する伝染性の病気。感染症予防法の5類感染症の一。学童がプールで感染して集団発生するのでプール熱ともいう。...
11/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/26 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典を更新
10/19 デジタル大辞泉を更新
10/19 デジタル大辞泉プラスを更新
10/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
9/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新