日本大百科全書(ニッポニカ) の解説 フォール(Paul Fort)ふぉーるPaul Fort(1872―1960) フランスの詩人。ランスに生まれる。18歳でパリに出て象徴派詩人たちと交わり、芸術座(現在の作品座)を設立して象徴劇運動の一翼を担う。1894年ごろから詩を書き始め、『フランスのバラード』Ballades françaises(1922~49)の総題で30巻の詩集を次々と発表した。伝承的な主題を民謡風の節回しにのせる自由で軽やかな手法は、ラフォルグやコルビエールを思わせるが、都会風ではなく、田園に生きる人々の素朴な情感を歌っている。文芸誌『詩と散文』(1905)を主宰した。[安藤元雄] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例