フンザ(英語表記)Hunza

デジタル大辞泉 「フンザ」の意味・読み・例文・類語

フンザ(Hunza)

パキスタン北部、ギルギットバルティスターン州のフンザ渓谷を中心とする地域名。1974年まで藩王が統治したフンザ藩王国を指す。中国アフガニスタン国境を接し、カラコルムハイウエー沿いに集落が点在する。中心地カリマバード。イスラム教シーア派の一分派、イスマーイール派が多く居住。

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改訂新版 世界大百科事典 「フンザ」の意味・わかりやすい解説

フンザ
Hunza

パキスタン最北端の山岳地方名。カシミールのうち同国管理地帯にある。カラコルム山脈北西端に属するバトゥーラ山群とヒスパー山群が西と東に走り,その間をフンザ川が流れる。同川の狭長な河谷平野はアンズの産地として知られ,そのほか小麦,桃,リンゴなどを産する。中国との国境には東にクルジェーラブ峠,西にミンタカ峠があり,古くから東トルキスタンインド亜大陸とを結ぶ重要な交通路であった。中国のカシュガルに至るカラコルム・ハイウェー(1978完成)はクルジェーラブ峠を通っている。住民はイスマーイール派イスラム教徒で,ブルシャスキー語を用い,長寿者の多いことで知られる。ミールとよばれる首長内政にあたっている。5世紀初めには法顕が,また20世紀初めに大谷探検隊がこの地方を通過した。
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