カシュガル

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カシュガル

中国,新疆ウイグル自治区西南部の都市。新疆南部最大の都市。1952年疏附県の一部地区を分けて市を設置。タリム盆地西隅にあり,タリム川に臨むオアシス都市天山南路要地で,羊毛,綿花,茶の交易が行われる。元代のカシュガル汗国の主都で唐勢力の後退とともに,トルコ,イスラム化した。市街は漢城と回城の2区に分かれる。64万人(2014)。
→関連項目新疆ヤークーブ・ベク

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世界大百科事典 第2版の解説

カシュガル【Kashghar】

中央アジアのオアシス都市。タリム(塔里木)盆地の西端に位置する。現在の中国,新疆ウイグル自治区喀什地区の喀什市(カスカル・シャフリ)。人口23万(1994)。その大半をウイグル人が占める。南疆で最も重要な都市。漢~宋代の中国には疏勒(そろく)国として知られ,また唐代以降,佉沙,迦師佶黎,伽師祇離,可失哈耳,可失哈児などの呼称でも知られる。イスラム文献にはKāshgharとして見える。東西交通路(シルクロード)上の要衝に位置するため,〈碧眼〉のアーリヤ系民族が居住した前イスラム時代には,しばしばエフタル突厥(とつくつ),唐,吐蕃など異民族の支配下に置かれた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カシュガル
かしゅがる / 喀什
Kashghar

中国、新疆(しんきょう)ウイグル自治区西端にある一大オアシス、およびその中心となる県級市をさす。県級市は行政上では喀什(カーシー)市と記され、カシュガル地区の公署所在地である。常住人口41万0381(2012)。南疆線(トゥルファン―カシュガル)が通じ、市中心部から北約9キロメートルにはカシュガル空港がある。
 タクラマカン(タクリマカン)砂漠が広がるタリム盆地の四周には、天山(てんざん)、パミール、崑崙(こんろん)山系からの融雪河川による灌漑(かんがい)農耕に支えられたいくつものオアシス都市が古くから発達し、シルク・ロードを支えていた。なかでもカシュガルは、天山を越え西トルキスタン、カザフ草原へ通じる東西通商路上の要衝として古くから繁栄し、現在でも南新疆最大の農産物集積地であるなど、カシュガリア地方における政治的・経済的中心地となってきた。タリム盆地四周のオアシス地帯一帯がカシュガリアと称されてきたのはこのためである。[真田 安・編集部]

歴史

漢代には疎勒(疏勒)(そろく)国として知られ、イラン系の民族が住んでいたが、9世紀以降トルコ系の民族が移り住み、10世紀にはイスラム教が浸透し始め、15世紀以降トルコ・イスラム社会が成立した。カシュガリアは絶えず中国、北アジア、西アジアの民族に支配されてきたが、17~18世紀にはカシュガル・ハン国のイスラム宗教貴族ホージャ家がオアシス経済を基盤に、カシュガルを首都にしてカシュガリアを支配した。その後、清(しん)の征服により中国領の最西端に組み込まれて現在に至っている。住民の大多数はイスラム教徒のトルコ系ウイグルであり、現在でも伝統的なイスラム文化が生き続けている。[真田 安]

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精選版 日本国語大辞典の解説

カシュガル

(Kashgar) 中国、新疆ウイグル自治区西部の都市。天山南路の要地にあたり、古くから繁栄した。

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世界大百科事典内のカシュガルの言及

【住居】より


[ウイグル族の住居]
 新疆ウイグル族の住居は地方によって形式・構造とも異なる。カシュガルの住宅は,日常生活の大きな部分を占める中庭を随所に設けた複合型平面で,〈アイワン〉と呼ぶ大広間を中心とする。木造の梁に小梁を並べた土葺き陸屋根で,天窓により採光し,室内には壁龕を設け,セッコウの文様彫刻や木造部材にも彫刻を多用する。…

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