ヘイシソウ(瓶子草)(読み)ヘイシソウ(英語表記)Sarracenia purpurea; common pitcher plant

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘイシソウ(瓶子草)」の意味・わかりやすい解説

ヘイシソウ(瓶子草)
ヘイシソウ
Sarracenia purpurea; common pitcher plant

ヘイシソウ科の多年草で,北アメリカ大陸の大西洋岸原産。湿地に自生する食虫植物の一つである。日本には明治末期に伝えられ温室で栽培され,単に属名のサラセニアで呼ばれることも多い。葉は3~6枚がロゼット状に生じ,中空で葉の上部はふた状をなして口を開く。口縁から内側には逆毛が生え,その下部には平滑な部分があるので,虫がいったん中に落ちると逃げられない。昆虫を誘うようにふたの部分には蜜腺がある。東南アジアに産するウツボカズラ (靫蔓)とはまったく別科の植物であるが,虫をとる仕組みは非常によく似ている。花は紫褐色で晩春に咲き,長く伸びた花茎の先端につく。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報