ワシントンにある国立美術館で,ロンドン・ナショナル・ギャラリーをしのぐ規模をもつ。1937年に創立され,大富豪A.W.メロンの大コレクションによって,41年に開館。イタリア・ルネサンス期の絵画を中心とするメロン・コレクションに加えて,同じくイタリア・ルネサンス絵画のクレスSamuel H.Kressコレクション,近代フランス美術のデールChester Daleコレクション,版画,素描などのローゼンワルドLessing J.Rosenwaldコレクションが寄贈されて巨大な収集体系が生まれた。オランダ,フランドル,ドイツ,イギリス,スペインの各美術のほか,アメリカ絵画も広く網羅され,常設展示のほか特別展も活発に開催されている。78年,東側にペイIeoh Ming Pei設計による新館〈ウェスト・ウィング〉が建設され,機能が飛躍的に拡大した。新館にはピカソ,マティスのほか,ポロック,ロスコらアメリカの現代絵画が収蔵されている。
執筆者:桑原 住雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…アメリカの美術館の一般的な特色は,ヨーロッパの大美術館がおおむね王侯貴族や政府主導型の,いわば〈上からの〉美術館なのに対し,主として民間の篤志家の寄付,寄贈によって設立,運営される〈下からの〉民主主義的性格をもっていることで,日本やフランスにおけるような国立の美術館はほとんどない。ワシントン・ナショナル・ギャラリーにしても民間人の設立であり,〈ナショナル〉とは〈国立〉ではなく〈国民の〉を意味している。強大な経済力を背景として,大半はわずか数十年の間に築かれたアメリカの美術コレクションは,コレクターの個人的な趣味の反映であると同時に,一国一時代に偏しない広い視野に立って収集されたものが多い。…
…のち政界においても活躍し,長年にわたり財務長官(1921‐32)や駐英大使の要職を務めた。美術に対する理解も深く,1937年には当時の金額で1500万ドル相当の美術品,およびこれらの作品を収蔵展示する美術館(ワシントン・ナショナル・ギャラリー。1941開館)を国に寄贈した。…
※「ワシントンナショナルギャラリー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...
4/12 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
4/12 デジタル大辞泉を更新
4/12 デジタル大辞泉プラスを更新
3/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
2/13 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新