七音略(読み)しちおんりゃく(英語表記)Qi-yin lüe

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「七音略」の意味・わかりやすい解説

七音略
しちおんりゃく
Qi-yin lüe

中国韻書。宋の鄭樵 (1102~60) 著。『韻鏡』と並ぶ最も古い韻図。内容的にも『韻鏡』とほぼ同じで,43転図から成り,調音点で7分し,さらに調音様式で 23列に分け,それに四等四呼を組合せた図表の形をしている。

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世界大百科事典(旧版)内の七音略の言及

【韻鏡】より

…著者不明。全体が43転に分けられる点,平声,上声,去声の3声と入声との対応,転図内部の字母配列の順序など,すべて宋の鄭樵《通志略》に含まれる《七音略》と同じである。明らかに同一の系統のものだが,‐mに終わる音節をあつかった転図のうち,咸摂に属するものを深摂に属するものから離して,宕摂をあつかう転図の直前におく《七音略》と,深摂・咸摂双方を全書の終りに近く曾摂の直前に置く《韻鏡》とでは,前者のほうが《切韻》原本における咸摂所属の一部の韻の配列位置を意識している順序と考えられる点,この種の韻図のより古い形をうけるものであるかもしれない。…

【韻鏡】より

…著者不明。全体が43転に分けられる点,平声,上声,去声の3声と入声との対応,転図内部の字母配列の順序など,すべて宋の鄭樵《通志略》に含まれる《七音略》と同じである。明らかに同一の系統のものだが,‐mに終わる音節をあつかった転図のうち,咸摂に属するものを深摂に属するものから離して,宕摂をあつかう転図の直前におく《七音略》と,深摂・咸摂双方を全書の終りに近く曾摂の直前に置く《韻鏡》とでは,前者のほうが《切韻》原本における咸摂所属の一部の韻の配列位置を意識している順序と考えられる点,この種の韻図のより古い形をうけるものであるかもしれない。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」