中幕(読み)ナカマク

デジタル大辞泉 「中幕」の意味・読み・例文・類語

なか‐まく【中幕】

幕末から昭和初期の歌舞伎で、一番目狂言二番目狂言との間に演じる狂言。華やかな一幕物が多い。京阪では、なか狂言といった。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「中幕」の意味・読み・例文・類語

なか‐まく【中幕】

〘名〙
① 軍陣用の幕。大幕と小幕中間の長さ(三丈六尺)で、夜に用いた。夜幕(やまく)。ちゅうまく。
※武用弁略(安政再板)(1856)六「中(ナカ)幕は水色なるべし、夜幕と名づく」
② 歌舞伎で一番目狂言と二番目狂言との間に演ずる狂言。多くは一幕物で、観客の気分をかえるためはなやかなものが多い。京阪では中(なか)狂言といった。また、その日の興行真中出し物や、二番目が三幕の場合の第二幕目をもいう。
※歌舞伎・お染久松色読販(1813)「中幕 瓦町油屋の場」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android