水色(読み)すいしょく

日本大百科全書(ニッポニカ)「水色」の解説

水色
すいしょく

湖沼や海、河川などの水の色。面や海面を上方から見下ろすと、晴天の日には青く、曇天や雨天の日には灰色に見える。これは水中よりの反射光または散乱光に加えて、空の色が映ったためである。天候によって支配されない水中から出てくる光だけを測定するには、底が透視できない深い所で、舟の陰や海岸の山陰の水色をフォーレル水色標準液と比較して行う。分子のように、波長に比べてはるかに小さい粒子による光の散乱は、レイリー散乱とよばれ、波長の4乗に逆比例するので、水中からは短波長の青色光が多く散乱されることとなり、水は一般に青く見える。水中に懸濁物質が多いと、これらの大きな粒子による散乱は波長に無関係になるため、白色光も散乱されて青色光と混じるので、水色は緑から黄緑へと移行する。したがって水色と透明度とは関係を有する。また湖水の溶存成分やプランクトンの繁殖によって独特な水色を呈することもある。

 諏訪湖(すわこ)(長野県)や霞ヶ浦(かすみがうら)(茨城県)では、夏期に水のが発生するので、水色は黄色を呈する。北海道の泥炭地の沼や、尾瀬ヶ原(群馬・福島・新潟県)の湿原にある池塘(ちとう)などでは、フミン酸などの有機物が溶存しているため淡褐色を呈しているが、これらの湖水の水色の決定にはフォーレルの標準液は適さず、ウーレの水色標準液が用いられる。磐梯(ばんだい)高原にある五色沼(ごしきぬま)(福島県)の水は火山性の地下水の影響を受けて、エメラルドブルーや赤褐色の水色を示すものがある。これらは硫酸カルシウムや酸化鉄が水中に多量に存在するためで、前述の水色標準液での判定は困難である。

[榧根 勇]


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色名がわかる辞典「水色」の解説

みずいろ【水色】

色名の一つ。JISの色彩規格では「うすいみの」としている。一般に、晴れた空の色が映し出された水の色ような、ごく薄い青のこと。空色よりも少し薄い。『万葉集』では「水縹みはなだ」と詠まれているが、やがて平安時代になると水色というようになった。縹色はタデ科アイだけを用いて染めた濃い青。水色も古くは薄い藍染あいぞめの色であった。澄んで美しい淡水でなければ水色にはならない。そのためか、清純さや清々しさがイメージされ、ポピュラーな色として好まれている。

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精選版 日本国語大辞典「水色」の解説

すい‐しょく【水色】

〘名〙
① 水の色。また、海・川・湖などの景色
※本朝無題詩(1162‐64頃)六・暮秋城南別業即事〈藤原敦基〉「水色山容多勝趣。崇朝遮眼已忘廻」
江戸から東京へ(1921)〈矢田挿雲〉七「三十年来の奥山から水色(スヰショク)明るき築地へ移って」 〔杜牧‐寄題甘露寺北軒詩〕
昼間、真上から見たときの湖海面の色。水の透明度、光の吸収・散乱に関係し、ふつう一一階級に区分される。
③ 薄い藍色。みずいろ。

みず‐いろ みづ‥【水色】

〘名〙 薄青く澄んだ水の色。うすいあい色。あさぎ色。
※夜の寝覚(1045‐68頃)三「濃く薄くみづ色なるを下にかさねて」

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百科事典マイペディア「水色」の解説

水色【すいしょく】

海洋,湖沼などの水の色。白昼水面の真上から見たときの水の色をフォーレル標準色の等級と対比させる。一般に水色が青いのは日光が水の分子や微細な粒子で散乱されるとき,波長の短い青い光のほうがより強く散乱されるため。また水による赤色光の吸収が大きいことも散乱光にさらに青みを帯びさせている。やや大きな粒子による波長に無関係な光の散乱は緑色を強める働きをする。
→関連項目海水

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デジタル大辞泉「水色」の解説

すい‐しょく【水色】

水のような色。薄い青色。みずいろ。
海面・湖面を上方から見たときの水の色。ふつう11の階級に区分される。
をいれたときの色。「水色のよい玉露」
水辺の景色。「山容水色
[類語]景色山色さんしょく白砂青松はくしゃせいしょう野色やしょく野景柳暗花明りゅうあんかめい春景煙景秋景雪景夕景せっけい・ゆうけい暮景晩景夜景

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栄養・生化学辞典「水色」の解説

水色

 「すいしょく」と読む.茶の評価法の一つとして,実際に沸騰したで抽出してその抽出液の色をみる方法があるが,この抽出液の色を水色という.

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世界大百科事典 第2版「水色」の解説

すいしょく【水色】

海,河川,湖沼などの色をいう。これらの色は,水中に入射した太陽光が水分子,溶存物質,懸濁物質によって選択吸収と散乱の効果を受け,ふたたび水面に出てきたときの分光組成によって決まる。以下では海の色について説明する。 溶存物質や懸濁物質の非常に少ない外洋水の海の色は藍青色であるが,これは主として水分子が長波長を強く吸収すること,および強度が波長の4乗に逆比例するレーリー散乱によって水分子が短波長光をより強く散乱する結果である。

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