中村歌右衛門(5世)(読み)なかむらうたえもん[ごせい]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「中村歌右衛門(5世)」の意味・わかりやすい解説

中村歌右衛門(5世)
なかむらうたえもん[ごせい]

[生]慶応1(1865).12.29. 江戸
[没]1940.9.12. 東京
歌舞伎俳優屋号成駒屋。本名中村栄次郎。4世中村芝翫の養子。4世中村福助から5世芝翫となり,1911年に5世歌右衛門を襲名。明治初期からすでに若女方として人気があり,大正,昭和にかけての代表的俳優。坪内逍遙新史劇で新しい境地を開き,なかでも『桐一葉』の淀君は一代の当り役となった。

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世界大百科事典(旧版)内の中村歌右衛門(5世)の言及

【摂州合邦辻】より

…主として〈合邦庵室〉の一幕が上演され,明治の2世坂東秀調以降,玉手の役は女方にとっての試金石とされてきた。今日では,もっぱら5世中村歌右衛門と6世尾上菊五郎との二つの型が行われている。【原 道生】。…

【沓手鳥孤城落月】より

…片岡我当(のちの11世仁左衛門)が片桐且元と淀君を演じた。東京での初演は翌年3月の東京座で,このときは淀君を中村芝翫(のちの5世中村歌右衛門)が演じ,一代の当り役となり,6世歌右衛門もこれを得意の役としている。逍遥の戯曲中もっとも上演回数が多く,とりわけ糒庫(ほしいぐら)の場だけが一幕物としてしばしば独立上演される。…

※「中村歌右衛門(5世)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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