乳腺結核(読み)にゅうせんけっかく

家庭医学館 「乳腺結核」の解説

にゅうせんけっかく【乳腺結核】

 乳腺結核はまれな病気です。よく発症する年齢は30~50歳で、とくに妊娠中や授乳中にかかりやすいといわれています。乳腺のみに病巣(びょうそう)が生じるものと、肺結核など、ほかの臓器の結核から由来するものとがあります。
 症状としては、痛みをともなわない乳房しこりがありますが、かなり進行すると痛みが出てきます。また、しこりが浅いところにある場合には、進行すると自然に破れて排膿(はいのう)し、そのあとに瘻孔(ろうこう)をつくります。乳腺の深いところにできたときには、冷膿瘍(れいのうよう)(結核性膿瘍)をつくります。
 乳腺結核のしこりは、触れただけでは、乳がんやその他の乳腺腫瘍(にゅうせんしゅよう)とまちがえることが多いので、注意を要します。
 治療は、抗結核薬の使用が基本ですが、必要に応じて、一時的には切開(せっかい)、場合によっては病巣を切除する手術が行なわれることもあります。

出典 小学館家庭医学館について 情報