結核の治療に用いられる薬。リファンピシンrifampicinとイソニアジドisoniazidが主流である。1944年にアメリカの微生物学者ワックスマンが抗生物質のストレプトマイシンstreptomycinを発見して以来、結核の治療薬の開発が相次ぎ、死亡率が激減した。ストレプトマイシンに次いで開発された合成薬品のパス(PAS、パラアミノサリチル酸)、イソニアジドとの三者併用療法が結核の治療の原則であったが、いずれも耐性菌の発生をみたため、抗生物質と合成薬品の新たな組合せが用いられるようになった。抗生物質としては古くはカナマイシン、サイクロセリンが、新しくはストレプトマイシン耐性菌に有効なカプレオマイシン、エンビオマイシン、さらにリファンピシンが内服でよく用いられるようになった。また、合成抗結核薬としてはパラアミノサリチル酸カルシウム、イソニアジド、エチオナミド、ピラジナミド、エタンブトールがあり、サルファ剤も一時使用されたことがある。なお、ストレプトマイシンやカナマイシンなどアミノ糖系抗生物質は副作用として難聴が現れ、エタンブトールには視力障害がみられる。
[幸保文治]
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