倭・和(読み)わ

精選版 日本国語大辞典 「倭・和」の意味・読み・例文・類語

わ【倭・和】

[1] 日本人の国。もと、中国での呼び方で、志賀島出土の金印漢委奴国王印」の「委」もこれであるという。日本人も「倭・和」の字を自称に用いて通例は「やまと」と訓読しているが、室町時代頃には「わ」と音読して単独に日本または日本のものを意味する語として用いるようになった。
※文明本節用集(室町中)「庭申 ニワマウシ 倭(ワ)世話直奏義又作言」 〔後漢書‐東夷伝・倭〕
[2] 〘名〙 漢詩に対して、和歌俳諧などをいう。
※俳諧・三冊子(1702)わすれ水「春は少しの風も、花をいとひて嵐と和にもいふ也」
[3] 〘語素〙 日本、日本風、日本語などの意を添える。「和紙」「和書」「和服」「和室」「漢和」「和英」など。
[補注]明治になって西洋の文物が多く入ってきたときに、従来の日本のものと違うことを表わすために「洋紙」「洋服」など「洋」を添えた。西洋風のものが一般的になると、逆に日本のものに対して、(三)のように「和」を添えて表わさなければならなくなった。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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