別所・別処(読み)べっしょ

精選版 日本国語大辞典 「別所・別処」の意味・読み・例文・類語

べっ‐しょ【別所・別処】

〘名〙
① 別のところ。他の場所。
※往生要集(984‐985)大文六「『四分律抄』瞻病送終篇、引『中国本伝』云、若有病者、〈略〉制令別処、堂号無常」 〔盧照鄰‐宴梓州南亭詩序〕
② 仏語。八大地獄のそれぞれに一六ずつ付属する小地獄をいう。
※往生要集(984‐985)大文一「此地獄四門之外、復有十六眷属別処」 〔正法念経‐五〕
③ 本寺から離れて、修行者や念仏聖が草庵などを結んでいる所。修行者が大寺院などから離れた一定の区域内に集まり、そのたくさんの草庵が一つの村のような形になっている所。法華念誦(ほっけねんじゅ)・念仏修行の場所として、浄土信仰盛行によって各地に形成され、地名として現存する。別院
今昔(1120頃か)一三「西塔の北谷の下に黒谷と云ふ別所有り」
④ 新しく別にかまえた道場。別に開いた修行の場所。
壒嚢鈔(1445‐46)一四「真紹法師は別所建立の思あり」
⑤ 墓所。墓地。〔日葡辞書(1603‐04)〕

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