黒谷(読み)クロダニ

デジタル大辞泉 「黒谷」の意味・読み・例文・類語

くろだに【黒谷】

京都市左京区、比叡山西塔の北谷法然の修行した青竜寺がある。本黒谷ほんくろだに
京都市左京区、岡崎地名。法然が光明寺(現在の金戒光明寺)を開いた地。新黒谷。

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精選版 日本国語大辞典 「黒谷」の意味・読み・例文・類語

くろ‐だに【黒谷】

  1. [ 一 ] 京都市左京区、比叡山西塔の北谷。法然が修行した青龍寺がある。本黒谷(ほんくろだに)
    1. [初出の実例]「くろたにとかいふ方よりありくほうしのあとのみまれまれはみゆるを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)手習)
  2. [ 二 ] 京都市左京区岡崎の地名。法然が布教した光明寺(のち金戒光明寺と改称)がある。また、金戒光明寺のこと。新黒谷。
    1. [初出の実例]「かやうに候ふ者は黒谷の法然上人に仕へ申す者にて候」(出典:謡曲・生田敦盛(1520頃))

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日本歴史地名大系 「黒谷」の解説

黒谷
くろだに

[現在地名]左京区黒谷町

吉田よしだ山の南、金戒光明こんかいこうみよう寺が所在する一帯の地名。転じて金戒光明寺の別称ともなる。伝承によれば、平安時代末期、法然上人が弘通のために比叡山を下ってこの地に草庵を結び、初め比叡山黒谷に対して新黒谷とよんだが浄土宗が教線を拡大するにつれ、単に黒谷とよばれるようになったという。室町時代になった「正徹物語」に「慶運か子に慶孝とて有し東山黒谷に侍し、花の盛に冷泉為尹いまた宰相にて有し頃」云々とみえるが、「二水記」大永六年(一五二六)五月一三日条には「詣真如堂新黒谷等」とあるから、室町時代には、いまだ黒谷と新黒谷とが併用されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の黒谷の言及

【綾部[市]】より

…国道27号線,山陰本線,舞鶴線が通ずる。舞鶴との境界に近い黒谷は,伝統的な和紙の産地として著名。大本教の発祥地であり,その本部がここと亀岡市に置かれている。…

【黒谷紙】より

…京都府綾部市黒谷町および八代町ですかれている楮紙(こうぞがみ)を中心とした,各種の手すき和紙をいう。丹波・丹後は古代において主要な製紙国であった。…

【金戒光明寺】より

…山号は紫雲山。新黒谷ともいう。法然が信空に付与した〈白川本房〉の旧址と伝える。…

※「黒谷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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