友好貿易(読み)ゆうこうぼうえき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「友好貿易」の意味・わかりやすい解説

友好貿易
ゆうこうぼうえき

1960年に提示された中国対日貿易三原則 (政府間協定締結,個別民間契約,中小企業のための個別的配慮) に基づき,61年友好商社 (日本との貿易相手として中国側が指定した商社) を通じて始められた日中間の貿易をいう。いわゆる LT貿易 (覚え書貿易) が長期総合的なものであるのに対し,友好貿易はスポット取引的な特徴があった。 73年以降は中国側が友好商社の指定を行わなくなり,友好貿易は事実上解消した。日中国交正常化後は日中貿易協定に基づいて行われている。

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世界大百科事典(旧版)内の友好貿易の言及

【日中貿易】より

… 1960年8月,周恩来首相が〈対日貿易三原則〉(日中貿易は,政府間協定,民間契約,個別的配慮によるべきもの,という原則)を提示し,ようやく貿易は再開されることになった。この第2の原則に基づき,友好貿易という形でいわゆる〈友好商社〉が日本側の窓口になり,日中貿易をその後担っていくことになる。62年11月,高碕達之助廖承志(りようしようし)との間で,長期,総合,バーター(バーター貿易),延払い(延払輸出)を基本とする〈日中総合貿易に関する覚書〉が取り交わされ,廖,高碕の頭文字をとったLT貿易が始まった。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」