吉田文五郎(3世)(読み)よしだぶんごろう[さんせい]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「吉田文五郎(3世)」の意味・わかりやすい解説

吉田文五郎(3世)
よしだぶんごろう[さんせい]

[生]明治2(1869).10.20. 大阪
[没]1960.2.21. 布施
人形遣い。本名河村巳之助。1世吉田玉助の門弟。 1883年大阪松島の文楽座入座,86年彦六座に移り,以後非文楽系の座を本拠として活躍。吉田簑助,2世桐竹亀松を経て,1909年3世文五郎を襲名。 15年御霊文楽座へ入座,以後 92歳まで文楽座に出演。近代女方人形遣いの代表的名人。3世吉田玉蔵,1世吉田栄三などの相手役をつとめ,栄三と対照的な,はなやかで可憐な芸風が人気を呼んだ。 49年日本芸術院会員,55年文楽「因 (ちなみ) 会」の人形部門代表として重要無形文化財に指定され,56年東久邇家から難波掾 (なにわのじょう) 号を贈られた。 59年文化功労者。当り役は『染模様妹背門松』のお染,『艶容女舞衣』のお園,『義経千本桜』の静御前など。

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