国際契約(読み)こくさいけいやく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国際契約」の意味・わかりやすい解説

国際契約
こくさいけいやく

渉外的要素のある契約。国際的な統一法条約があればそれによって規律されるが,現段階では,対象とする事項および加盟国の数が限られたものがあるにすぎない。「船荷証券に関するある規則統一のための条約」 (ブラッセル 1924。 68に改正) ,「国際物品売買契約に関する条約」 (ウィーン 80) などがその例である。このような統一法の適用されない場合には,各国で国内法が異なるため,国際私法によりどの国の法律が適用されるかを定めるという方法で法秩序を維持している。国際私法も国際的統一もなされていないが,日本では,契約についてはその当事者準拠法を指定することを認め,指定がない場合には行為地法を適用している (法例7) 。

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世界大百科事典(旧版)内の国際契約の言及

【契約】より

…このため,公法上の契約と私法上の契約に区別することに消極的な学説も多い。行政契約【浜川 清】
【国際契約,渉外契約】
 たとえば,日本の電気機器メーカーAとアメリカの輸入業者Bとがロンドンで締結したAの製品の売買契約とか,日本の商社のパリ支店がその従業員としてベルギー人を雇い入れる際の雇用契約などのように,契約当事者の国籍・住所,契約の締結地・履行地など,契約に関する諸要素が2国以上にまたがっているとき,その契約を国際契約または渉外契約という。
[国際契約と統一法]
 国際契約には,売買契約,雇用契約,金銭の貸借契約,運送契約,保険契約,合弁契約,代理店契約,技術援助契約など,さまざまなものがあって,今日の活発な国際的社会・経済活動を支えている。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」