敷島・磯城島(読み)しきしま

精選版 日本国語大辞典 「敷島・磯城島」の意味・読み・例文・類語

しきしま【敷島・磯城島】

[1]
[一] 崇神天皇および欽明天皇が都を置いたと伝承される大和国磯城(しき)郡(奈良県桜井市)の地。
古事記(712)下「弟天国押波流岐広庭天皇は、師木嶋(シきしま)の大宮に坐して、天の下治らしめしたまひき」
[二] (枕詞しきしまの」から転じて) 大和国(奈良県)をいう。
万葉(8C後)一九・四二八〇「立ち別れ君が往(いま)さば之奇嶋(シキしま)の人は我(われ)じく斎(いは)ひて待たむ」
[三] 広く日本をいう。
※栄花(1028‐92頃)御賀「しきしまやここの事とは見えず、高麗(こま)・唐土(もろこし)などにやとまでぞ見えける」
[四] 専売タバコの名の一つ。明治三七~昭和一八年(一九〇四‐四三)発売。口付きの高級タバコ。
※東京二六新聞‐明治三七年(1904)六月二二日「煙草官業になると共に、紙巻に敷島、大和、朝日、山桜の四種が出来るさうだ」
※御伽草子・こほろぎ草子(校註日本文学大系所収)(室町末)「いざいざ敷島のことよせて、拙き言の葉を三十一文字結び置き」
[補注]漢字表記「敷島」の例は古くには見られない。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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