早期型星(読み)そうきがたせい(英語表記)early type stars

改訂新版 世界大百科事典 「早期型星」の意味・わかりやすい解説

早期型星 (そうきがたせい)
early type stars

恒星は表面温度の高い星から低い星へと一つの系列に沿ってO-B-A-F-G-K-Mと分類される。この系列では習慣的に温度の高い星ほど早期,低い星ほど晩期と呼ばれているが,通常,早期型星とはO型星,B型星,あるいはそれにA型星を加えた星を総称する。表に主系列星超巨星を含む早期型星の特性をおもな例によって示す。早期型星は太陽に比べて表面温度が高いため,従来は彩層-コロナ構造をもたないと考えられていたが,人工衛星などの観測によると,コロナに似た希薄な高温圏が存在し,高速度の質量流出現象が一般的となっている。また,星の周囲に比較的低温(約1万K)の広がった外周圏をもち輝線星となることも多い。銀河系内では早期型星は種族Ⅰの若い天体として銀河面付近に集中して分布し,星間物質やガス状星雲とともに,銀河腕構造をつくったり,顕著な星の形成領域をつくったりする。
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百科事典マイペディア 「早期型星」の意味・わかりやすい解説

早期型星【そうきがたせい】

恒星のスペクトルを温度の高い順に並べた系列において,温度の高いほうに属するO型,B型,あるいはこれらにA型を加えた星の総称。銀河系内では銀河面付近に集中して分布している。

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