デジタル大辞泉
「種族」の意味・読み・例文・類語
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しゅ‐ぞく【種族・種属】
- 〘 名詞 〙
- ① 同一の体質や性質を有するもの。同一種類のもの。類(たぐい)。ともがら。
- [初出の実例]「本刹帝利之種族浄飯王之宗裔也」(出典:参天台五台山記(1072‐73)五)
- 「藤家は其季で別の種族なり」(出典:史記抄(1477)四)
- [その他の文献]〔陸機‐瓜賦〕
- ② ( ━する ) 一族をことごとく殺すこと。一族を誅殺すること。〔漢書‐高祖紀〕
- ③ 人種、民族などの人類集団の分類単位。血縁、言語、宗教、慣習などを共通にする成員によって構成される。部族。
- [初出の実例]「止白里(シベリー)部中、彼此に鄂斯綽更(チスチャケン)と名く種族あり」(出典:輿地誌略(1826)一)
- ④ 生物を分類する単位の種。
- [初出の実例]「或人嘗て一盞の蛹を奪ひ来りて其の種属の蟻に一個づつ与へしに一匹の蟻にて幾回にも之を運べり」(出典:小学読本(1884)〈若林虎三郎〉四)
- ⑤ 天文学で、星を存在場所、運動、性状などの差異により分類したもの。銀河系の腕に主に存在する高温の星が種族I 、銀河系の中核に存在する星が種族II とされる。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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種族(恒星)【しゅぞく】
恒星はヘルツシュプルング=ラッセル図上でIとIIの2種族に大別される。Iは主系列星や散開星団など銀河系や渦巻銀河の渦状の腕をつくっている恒星,IIは中心部や球状星団をつくる恒星で,IはIIよりずっと若く,IIが進化の過程を終え超新星となって爆発した後の星間物質から2次的に生じたものと考えられる。1944年W.バーデがアンドロメダ銀河の観測から確立した。恒星の質量と絶対等級との関係,ケフェウス型変光星の変光周期と絶対等級の関係もIとIIで異なるので,後者から決定される銀河の距離はバーデの発見以後改訂された。さらに極端な種族II(ハロー種族とも),中間的種族II,銀河面種族,中間的種族I,極端な種族Iの五つに細分化することもある。
→関連項目銀河系
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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種族
しゅぞく
人類を分類する際の一つの区分単位。人類の分類には種族のほか人種、民族、部族などさまざまあり、しばしば混乱して用いられている。人種は、皮膚、毛髪、目の色その他の遺伝的・身体的特徴によって分けたときの単位で、これに対して民族は、文化、社会の違いに基づいて、人間の後天的・非遺伝的特徴によって分けた場合の単位である。部族は一般に、一定の地域に住み、言語を共有し、同質的な文化をもち、ある程度の「われわれ意識」をもつ人々の集団をさす。種族については、文化的に分類された単位が大きい場合は民族、小さい場合は種族と分ける考え方、集団内の人々自身の主観的分類に基づくものを部族、研究者の客観的分類に基づくものを種族とする考え方などさまざまあり、明確に概念規定された用語となっていない。また、民族にせよ種族にせよ、人種とは分類基準が異なるとはいっても、実際には人種と重なる場合が多いが、種族の「種」という語が生物学の分類上の「種」と混同され、種族を人種による分類と誤解することが多く、そのため今日ではこの語はあまり用いられない。
[板橋作美]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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種族
しゅぞく
tribe; stock
人類を分類する単位の一つ。民族,人種,部族などとしばしば混同して用いられる。民族は文化や社会など後天的な要素による分類単位,人種は生物学的・自然人類学的分類単位として一応区別されるが,種族と部族とはほとんど同義であった。部族は政治的統合性が高く,部族成員自身による主観的分類単位であるのに対し,種族を文化の異同を基準とした研究者の客観的分類に基づく単位とする考え方もあるが,明確な定義とはなっていない。また人種と類似した言葉であるため誤用も多く,今日ではあまり用いられていない。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の種族の言及
【部族】より
…文化人類学(民族学)は民族誌的調査にあたって,その研究対象とする人間集団を指して恣意的に部族と呼びならわしてきた。よく似た語に種族,民族がある。それらは人種,言語,文化(生活様式と価値体系など)を共有する人間集団とされているが,部族はこの3者に加えて特定の地域に居住する人々という限定をおくのが普通である。…
※「種族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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