曲弾き(読み)キョクビキ

デジタル大辞泉 「曲弾き」の意味・読み・例文・類語

きょく‐びき【曲弾き】

三味線・琴などを特殊な技巧で弾いたり、非常な速さで弾いたりすること。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「曲弾き」の意味・わかりやすい解説

曲弾き
きょくびき

弦楽器を曲芸的に弾くこと。楽器の取扱い方が尋常でないものと、演奏そのものが普通でないものの2通りある。前者は、三味線などを頭上で弾くとか、演奏中に回転させるとか、勘どころを押さえる人と弾く人が別々とか、あるいは撥(ばち)を放り投げるとかいったもの。後者は、リズムやテンポを通常でなく演奏するものである。江戸の鳥羽屋三右衛門(とばやさんえもん)(1712―67)が、三味線を弾きながら同時に太鼓と鉦(かね)を打って「曲を尽せり」と『歌舞伎事始(かぶきことはじめ)』にある。今日でも文楽のなかに前者の奏法が伝えられているし、九州の盲僧琵琶(びわ)にもある。後者の伝統は、長唄(ながうた)の長い合の手大薩摩(おおざつま)の合の手にも聞くことができる。

[織田紘二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android