日本音楽の種目名およびそれに用いるリュート属撥弦(はつげん)楽器。天台宗に関連した宗教音楽であるが、そこから派生した娯楽的なものも含む。起源は不明であるが、奈良時代以前に直接インドから伝わったという説もある。西日本とくに中国地方西部以西に普及していたが、現在では九州のみに存在し、福岡市の成就(じょうじゅ)院を中心とする「筑前(ちくぜん)盲僧琵琶」と鹿児島県日置(ひおき)郡の常楽院を中心とする「薩摩(さつま)盲僧琵琶」とに二大別される。さらに地域的に、前者は大分県の「国東(くにさき)盲僧琵琶」、後者は宮崎県延岡(のべおか)市の「日向(ひゅうが)盲僧琵琶」に分けることもある。また熊本県の「肥後琵琶」も元来は前者の一つであったと考えられる。
盲僧の宗教活動には寺院で行う法要と檀家(だんか)を回って行う回檀法要がある。寺院法要の際、筑前盲僧琵琶では経典の本文を琵琶の伴奏で唱えるが、薩摩盲僧琵琶では経典本文ではなく釈文の部分のみを琵琶伴奏で唱える。回檀法要では両者とも地神(じしん)経などを弾奏誦経(ずきょう)するが、とくに前者のみ荒神(こうじん)経も唱誦する。慣用の「荒神琵琶」という名称はこれに由来する。また筑前盲僧琵琶には一種の余興として行う琵琶伴奏の軍談物「くずれ」がある。これらは、非宗教音楽である薩摩琵琶と筑前琵琶が形成される基となった。
楽器としての筑前盲僧琵琶は四弦五柱(じゅう)が標準で、携帯用のもっとも小型のものは「笹(ささ)琵琶」とよばれる。薩摩盲僧琵琶では四弦四柱、日向(ひゅうが)盲僧琵琶では四弦六柱のものが標準となっている。
[シルヴァン・ギニアール]
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