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盲僧琵琶 もうそうびわ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

盲僧琵琶
もうそうびわ

日本音楽の楽器名およびその音楽。今日九州地方 (一部中国地方でも) で天台宗の盲僧によって行われる琵琶楽で,本来はその寺院法会のなかで,誦経・釈文伴奏として琵琶を弾奏したことに始る。のちには,檀家を回って,かまど払いや豊饒祈願の際に三宝荒神 (かまど神) をしずめるために,荒神経や地神経,あるいはその和讃などを唱えながら琵琶を弾奏したことから,荒神琵琶あるいは地神琵琶ともいわれたが,正式な名称ではない。筑前盲僧 (成就院系) と薩摩盲僧 (常楽院系) が有名であり,鹿児島の常楽院で盲僧によって修せられる法会には,笛・太鼓などによる楽も用いられ,「妙音十二楽」などともいわれる。現在では,こうした寺院の組織に属さない回檀専門の盲僧もあり,熊本などでは,本来の仏教とは遊離した芸能となっている。現在は衰退し,かろうじて伝承されている状態にある。筑前盲僧の楽器は4弦5柱 (薩摩盲僧のは3弦6柱だったともいわれる) ,その小ぶりで胴が細いものは,「笹琵琶」とも呼ばれる。それらを改良して,現在の筑前琵琶が生れた。鹿児島では,現在の薩摩琵琶で代用されることもあるが,その他,熊本や宮崎などでは,それぞれ自作のさまざまな琵琶を用いている。

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デジタル大辞泉の解説

もうそう‐びわ〔マウソウビハ〕【盲僧××琶】

日本音楽の一種で、盲僧2琵琶を伴奏に地神経などを唱えるもの。また、娯楽的な語り物なども演じる。筑前盲僧琵琶と薩摩(さつま)盲僧琵琶の二系統がある。荒神琵琶(こうじんびわ)。

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百科事典マイペディアの解説

盲僧琵琶【もうそうびわ】

日本の琵琶楽の一つ。盲僧が琵琶を伴奏に〈地神経〉などを唱えて荒神を供養し,余興の物語などをするもので荒神琵琶ともいわれる。起源は奈良時代とされるが,同じく盲僧の弾き語る平家琵琶が鎌倉時代に発生し武家に支持されるようになったので,荒神琵琶は九州(および山口県の一部)で生きのびた。
→関連項目琵琶法師

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大辞林 第三版の解説

もうそうびわ【盲僧琵琶】

琵琶楽の一種。盲僧の演奏するもの。経文読唱のほかに娯楽的な語り物も演唱する。薩摩盲僧琵琶と筑前盲僧琵琶が二大系統で、それぞれ薩摩琵琶と筑前琵琶の源流である。荒神琵琶こうじんびわ

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

盲僧琵琶
もうそうびわ

日本音楽の種目名およびそれに用いるリュート属撥弦(はつげん)楽器。天台宗に関連した宗教音楽であるが、そこから派生した娯楽的なものも含む。起源は不明であるが、奈良時代以前に直接インドから伝わったという説もある。西日本とくに中国地方西部以西に普及していたが、現在では九州のみに存在し、福岡市の成就(じょうじゅ)院を中心とする「筑前(ちくぜん)盲僧琵琶」と鹿児島県日置(ひおき)郡の常楽院を中心とする「薩摩(さつま)盲僧琵琶」とに二大別される。さらに地域的に、前者は大分県の「国東(くにさき)盲僧琵琶」、後者は宮崎県延岡(のべおか)市の「日向(ひゅうが)盲僧琵琶」に分けることもある。また熊本県の「肥後琵琶」も元来は前者の一つであったと考えられる。
 盲僧の宗教活動には寺院で行う法要と檀家(だんか)を回って行う回檀法要がある。寺院法要の際、筑前盲僧琵琶では経典の本文を琵琶の伴奏で唱えるが、薩摩盲僧琵琶では経典本文ではなく釈文の部分のみを琵琶伴奏で唱える。回檀法要では両者とも地神(じしん)経などを弾奏誦経(ずきょう)するが、とくに前者のみ荒神(こうじん)経も唱誦する。慣用の「荒神琵琶」という名称はこれに由来する。また筑前盲僧琵琶には一種の余興として行う琵琶伴奏の軍談物「くずれ」がある。これらは、非宗教音楽である薩摩琵琶と筑前琵琶が形成される基となった。
 楽器としての筑前盲僧琵琶は四弦五柱(じゅう)が標準で、携帯用のもっとも小型のものは「笹(ささ)琵琶」とよばれる。薩摩盲僧琵琶では四弦四柱、日向(ひゅうが)盲僧琵琶では四弦六柱のものが標準となっている。[シルヴァン・ギニアール]

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