デジタル大辞泉
「大薩摩」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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おお‐ざつまおほ‥【大薩摩】
- 〘 名詞 〙 「おおざつまぶし(大薩摩節)」の略。
- [初出の実例]「大さつま色身でいけるふしでなし」(出典:雑俳・柳多留‐四(1769))
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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大薩摩
おおざつま
(1) 三味線音楽の一種 大薩摩節のこと。江戸浄瑠璃の一派で,豪快な曲節を特色とする。享保初年頃,歌舞伎に出勤,荒事の伴奏音楽を演奏していた1世大薩摩主膳太夫が流祖。特に享保 14 (1729) 年1月,2世市川団十郎のために『鏃 (やのね) 五郎』をつとめ,人気大いに上ったが,次第に衰退に向い,3世主膳太夫没後は後継者なく,文政9 (1826) 年,長唄に吸収され,以後,大薩摩は長唄人の兼業となり,長唄も大薩摩の影響を受けることになった。『矢の根』『鳴神』『不動』が代表曲。3世杵屋勘五郎は大薩摩の旋律を 48通りに整理,「大薩摩四十八手」と名づけた。 (2) 歌舞伎演出用語 歌舞伎劇の時代,だんまりの開幕前に,浅黄幕の幕外で,長唄の唄い手と三味線弾きが立ったまま,豪快に演奏すること。しかしこれは,その旋律に大薩摩の手を使うということで,本来の大薩摩節とは無関係。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の大薩摩の言及
【大薩摩節】より
…江戸時代の初め,京都から江戸に下った浄瑠璃語り[薩摩浄雲]の流れをくむ硬派の浄瑠璃。文献では薩摩外記大掾藤原直政の門弟薩摩文五郎が[大薩摩主膳太夫]と改名して享保初年(1720年ころ)に創始したといわれる。享保~宝暦期(18世紀中ころ)に江戸歌舞伎の市川流[荒事]の伴奏音楽として全盛期をむかえたが,中期以後しだいに,長唄や豊後節系浄瑠璃に圧倒されて衰退,1826年(文政9),家元権が4世杵屋(きねや)三郎助(のち10世六左衛門)にあずけられ,さらに68年(明治1)にはその家元権が正式に3世杵屋勘五郎に譲与されて,長唄に吸収された。…
※「大薩摩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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