日本大百科全書(ニッポニカ) 「月(周期)」の意味・わかりやすい解説
月(周期)
つき
地球の衛星である月(太陰)が天球上を1周する周期で、天文学的に5種類の月がある。暦法上重要なものは太陽に対して月が1周する周期で、朔望月(さくぼうげつ)という。朔・上弦・望・下弦の位相はこの周期で繰り返す。春分点に対して1周するのを分点月(回帰月)、月の近地点に対して1周するのを近点月、同一恒星に対して1周するのを恒星月、月の天球上の径路白道と黄道の昇交点に対して1周するのを交点月という。その平均の長さは次のとおりである(2000年1月1.5日の黄道と春分点に準拠した値)。
朔望月 29.530589日=29日12時43分48.0秒
分点月 27.321582日=27日7時43分12.0秒
近点月 27.554550日=27日13時18分36.0秒
恒星月 27.321662日=27日7時43分12.0秒
交点月 27.212221日=27日5時5分24.0秒
太陰暦・太陰太陽暦では朔望月の端数を切り捨て、切り上げて29日・30日を、また、太陽暦では28日から31日までの4種を1か月として用いる。
[渡辺敏夫]
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