太陰暦(読み)たいいんれき(英語表記)lunar calendar

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

太陰暦
たいいんれき
lunar calendar

月の朔望を基準として日数を区切る暦。月は平均 29.53059日 (1朔望月 ) の周期で規則正しく満ち欠けするので,太陰暦は自然に発生した。大部分の古代の暦は太陰暦として出発したが,のちに太陰太陽暦に変っていった。現在トルコ,ペルシアアラビア,エジプトなどのイスラム教徒の使っているイスラム暦は唯一の純太陰暦である。

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百科事典マイペディアの解説

太陰暦【たいいんれき】

陰暦とも。月(太陰)の満ち欠けを基準にして決めた暦。太陽の動きを考慮に入れた太陰太陽暦と,全く考慮しない純太陰暦がある。後者は朔望月(さくぼうげつ)を単位とし,29日,30日の月を交互において一年を354日とし,30年に11回の割合で30日の月を2度続ける(一年は355日)。このため年初が次第に季節より進み,33年でもとに戻る。現行の純太陰暦はヒジュラ暦のみ。
→関連項目ローマ暦

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占い用語集の解説

太陰暦

月の運行のみを基本とする暦法。陰暦とも呼ぶ。月の公転周期(太陰暦における一ヶ月)は29.53日で、これを12回繰返すと354.36日(太陰暦における1年)となる。地球の公転周期は365.2422日なので、10.88日ほど足りなくなる。太陰暦による暦は実際の季節とはかみ合わない。

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世界大百科事典 第2版の解説

たいいんれき【太陰暦 lunar calendar】

月の満ち欠けの周期である1朔望月(さくぼうげつ)を基にして組み立て,季節と月日との調節を考えない暦。1望月は29日半であるから,その12ヵ月の1年は1太陽年より11日短い。したがってある年に正月が冬至のころとすれば8年ほどで秋分のころ,16年か17年で正月が夏至のころというぐあいになる。日常生活にはたいへん不便であるからあまり使われない。イスラムの人たちが宗教的行事に用いているヒジュラ暦(イスラム暦)が太陰暦として著名である。

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大辞林 第三版の解説

たいいんれき【太陰暦】

月の運行を基準として定めた暦法。純太陰暦は朔望月をもとにして日を数えるので、1年は約354日となり季節の推移に合わなくなる。イスラム暦がその例。また太陰太陽暦を含めていうこともある。陰暦。 → 太陽暦

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

太陰暦
たいいんれき

月の満ち欠けの周期の朔望(さくぼう)月(29.53059日)だけを基本周期として日を数える暦法。略して陰暦ともいう。したがって季節の循環周期に無関係であり、農事には適さない。暦の発生当時はいずれの民族・国家でも太陰暦であったであろうと考えられるが、現在この暦法に従うものとしてはイスラム暦(マホメット暦、回回(フイフイ)暦)だけである。広義には太陰太陽暦をも含めて太陰暦というが、とくに区別する必要があるときには太陰暦を純太陰暦という。[渡辺敏夫]

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世界大百科事典内の太陰暦の言及

【旧石器時代】より

…マドレーヌ期には川べりに残された露営地があり,彼らはそこでサケなどの漁労を行っていたらしい(マドレーヌ文化)。なおA.マルシャークの研究によれば,彼らはすでに太陰暦をもっていたといわれる。それは刻み痕の残された鹿角製の平らな板で,69個の蛇のようにうねって連続する点状の刻みが彫られているが,よく調べてみると刻みには円形,半円形,三日月形などの変化があり,69個の刻みを彫るのに24個の違った道具を用いていることがわかった。…

※「太陰暦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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