毘首羯磨(読み)ビシュカツマ

デジタル大辞泉 「毘首羯磨」の意味・読み・例文・類語

びしゅかつま【毘首羯磨】

《〈梵〉Viśvakarmanの音写。妙匠・種々工巧と訳す》帝釈天たいしゃくてん侍臣で、細工物建築をつかさどる神。転じて、美術工芸に巧みな人。

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精選版 日本国語大辞典 「毘首羯磨」の意味・読み・例文・類語

びしゅかつま【毘首羯磨】

(Viśvakarman の音訳。妙匠、種種工巧などと訳す)
[1] 仏語帝釈天の臣下で、彫刻、建築など種々の美術をつかさどる神。毘首。毘首羯磨天
※栄花(1028‐92頃)音楽「毗首羯摩も、いとかくはえや作り奉らざりけんと見えさせ給」 〔起世因本経‐七〕
[2] 〘名〙 ((一)から転じて) 美術工芸に巧みな人。仏師仏工
※真俗仏事編(1728)六「天竺毘首羯磨の作と云ふは天竺の仏工の作と云ふこと也」

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世界大百科事典(旧版)内の毘首羯磨の言及

【インド神話】より

…《リグ・ベーダ》にはまた若干の創造神話が見られる。祈禱主神ブラフマナスパティ(ブリハスパティ)とかビシュバカルマン(毘首羯磨)を万物の創造者とする説や,創造神が黄金の胎児(ヒラニヤ・ガルバHiraṇya‐garbha)として太初の原水の中にはらまれて出現したとする説がある。また,神々が万有そのものである原人プルシャPuruṣaを犠牲獣として祭祀を実行し,もろもろの世界を形成したという,諸民族の間に見られる巨人解体神話と共通な説もある。…

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