精選版 日本国語大辞典 「帝釈天」の意味・読み・例文・類語
たいしゃく‐てん【帝釈天】

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梵天(ぼんてん)と並び称される仏法の守護神の一つ。もとはバラモン教の神で、インド最古の聖典『リグ・ベーダ』のなかでは、雷霆神(らいていしん)であり武神である。ベーダ神話に著名なインドラIndraが原名で、阿修羅(あしゅら)との戦いに勇名を馳(は)せる。仏教においては須弥山(しゅみせん)の頂上にある忉利天(とうりてん)の善見城(ぜんけんじょう)に住して、四天王を統率し、人間界をも監視する。初期の仏典にその名がみられ、ことに『大乗涅槃経(だいじょうねはんぎょう)』「聖行品(しょうぎょうぼん)」にある雪山童子(せっさんどうじ)の説話は有名で、帝釈天が羅刹(らせつ)(鬼)に身を変じて童子の修行を試し励ます役割を演じている。密教では護世八方天(ごせはっぽうてん)および十二天の一として東方を守る。彫刻では京都東寺(教王護国寺)講堂の白象に乗る半跏像(はんかぞう)、奈良唐招提寺(とうしょうだいじ)金堂の立像が著名。なお、東京都葛飾(かつしか)区の柴又(しばまた)帝釈天は、庶民信仰の寺として有名である。
[望月良晃]
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【《リグ・ベーダ》の神話】
前1500年から前900年ごろに作られた,最古のベーダ文献である《リグ・ベーダ本集》には,一貫した筋の神話は見いだされないが,事実上の作者である聖仙(リシ,カビ)たちは,当時のインド・アーリヤ人が持っていたなんらかの神話を前提として詩作したと思われる。特に,《リグ・ベーダ》において最高神的地位にあるインドラ(帝釈天)を中心とする神話の存在がうかがわれ,実に全賛歌の約4分の1が彼に捧げられている。インドラは元来,雷霆(らいてい)神の性格が顕著で,ギリシアのゼウスや北欧のトールに比較されるが,《リグ・ベーダ》においては,暴風神マルトMarut神群を従えてアーリヤ人の敵を征服する,理想的なアーリヤ戦士として描かれている。…
…彼は名目上は依然として神々の王とみなされるが,相対的に弱い神となり,世界守護神(ローカパーラ)の一つとして東方を守護するとみなされるようになった。仏教にも取り入れられ,仏法の守護神とされ,帝釈天と漢訳された。インド神話【上村 勝彦】。…
…12の天部は四方(東西南北)と四維(南東,南西,北西,北東)の8方と上方,下方の10方位に配置される十尊と日天(につてん),月天(がつてん)である。すなわち,帝釈天(たいしやくてん)(東),火天(かてん)(南東),閻魔天(えんまてん)(南),羅刹天(らせつてん)(南西),水天(すいてん)(西,バルナ),風天(ふうてん)(北西),毘沙門天(びしやもんてん)(北),伊舎那天(いしやなてん)(北東),梵天(ぼんてん)(上),地天(ちてん)(下),日天,月天となる。十二天像は画像で表現される。…
※「帝釈天」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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