片羽(読み)カタハ

デジタル大辞泉 「片羽」の意味・読み・例文・類語

かた‐は【片羽】

片方の翼。かたはね
二つ揃っているはずのものの片方。
鴛鴦をしの―のとぼとぼと」〈浄・盛衰記

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精選版 日本国語大辞典 「片羽」の意味・読み・例文・類語

かた‐は【片羽】

〘名〙
① 片方の翼。かたはね。
※宇津保(970‐999頃)内侍督「おほとりのはねやかたはになりぬらんいまは乙箭(おとや)に霜の降るらん」
② (形動) 二つ揃っているはずのものの片方。転じて、不完全なさま。みにくいさま。
※浄瑠璃・平仮名盛衰記(1739)三「古郷へ帰る我々も君の古郷へ帰れども、鴛鴦(をし)のかたはのとぼとぼと、子に迷ひ行さよ千鳥
織物で、経(たていと)一本の称。製織の際、通常は筬羽(おさは)と筬羽との間に経二本ずつを通すが、その一本をいう。かたはね。
鉱石を選別する際生ずる精鉱と廃石との混合物。半精鉱。

かた‐はね【片羽】

〘名〙
※両足院本毛詩抄(1535頃)三「折羽きじの片羽付た旌ぞ。もろはね付たは全羽と云ぞ」

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