玉造小町壮衰書(読み)たまつくりこまちそうすいしょ

百科事典マイペディア 「玉造小町壮衰書」の意味・わかりやすい解説

玉造小町壮衰書【たまつくりこまちそうすいしょ】

平安後期の漢詩文作品。《玉造小町子壮衰書》とも。作者不詳。全1巻。前半は作者が路で会った老醜の貧女との問答を四六文で記した序で,彼女はもと良家の娘で,若い頃には栄華を極めたが,家族が入内(じゅだい)させようと結婚を許さなかったために,後に家族の相次ぐ死により没落し,仏道に帰依することを綴る。後半は130韻の長詩で,彼女が猟師に嫁して1子を産むが,夫と子に死別して無常を悟ったことを記し,老女境涯を憐れみ,仏の慈悲による救済を願うという内容。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android