コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

無常 むじょう

6件 の用語解説(無常の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

無常
むじょう

仏教用語。万物が生滅変化し,常住でないことをいう。「諸行無常」と用いて,三法印の一つ。一般的には,常のないこと,定まりのないことを意味し,「無常の風」などと用いて,人生のはかないことをいう。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

む‐じょう〔‐ジヤウ〕【無常】

[名・形動]
《〈梵〉anityaの訳》仏語。この世の中の一切のものは常に生滅流転(しょうめつるてん)して、永遠不変のものはないということ。特に、人生のはかないこと。また、そのさま。「―な人の世」「諸行―」⇔常住
人の死。
「―の来たる事は、水火の攻むるよりも速やかに」〈徒然・五九〉

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉プラスの解説

無常

1970年公開の日本映画。監督:実相寺昭雄、脚本:石堂淑朗、撮影:稲垣涌三ほか。出演:田村亮、司美智子岡田英次、田中三津子、佐々木功ほか。ロカルノ国際映画祭金豹賞受賞。実相寺監督の長篇劇映画デビュー作。

出典|小学館
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版の解説

むじょう【無常】

サンスクリットanityaの漢訳で,常住不変に対して無常転変の意味。仏教の根本的教説は因縁または縁起ということで,すべての存在は因縁和合の一時的存在なので,常恒不変ではない。したがって人なり物なりに執着しても,それは変化消滅するものなので,失望するだけである。これを諸行無常といい,この理を悟り,人と物への執着から解脱すれば心の安楽が得られるという。この教説を表現したのが諸行無常偈または雪山偈(せつせんげ)である。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

むじょう【無常】

( 名 ・形動 ) [文] ナリ 
〘仏〙 万物は生滅流転し、永遠に変わらないものは一つもないということ。 ↔ 常住 「諸行-」
人の世の変わりやすいこと。命のはかないこと。また、そのさま。 「 -な世の中」
人間の死。 「 -の来る事は、水火の攻むるよりも速に逃れがたきものを/徒然 59

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

無常
むじょう

仏教の術語。サンスクリット語でアニトヤanitya、パーリ語でアニッチャaniccaという。常ならざること、移り変わってすこしもとどまらないこと、生滅変化することを意味する。
 仏教の創始者釈尊が説いたといわれる三法印(さんぼういん)中の第一は「諸行無常」であった。また原始仏教経典にはしばしば、一切(いっさい)のものは無常であるから苦である、と述べられ、無常は人間存在の苦の根拠とされている。すなわち、如何(いか)なる楽しみも無常であるからしだいに変化して苦しみになる、という意味である。しかし逆に苦しみが変化して楽しみになる、という楽天的な意味は仏教の無常にはない。それは、原始仏教が人間存在の変遷の帰結をつねに病・老死に置くからである。
 部派仏教になると、無常の構造をさらに精緻(せいち)に理解・説明せんとするに至る。とくに説一切有部(せついっさいうぶ)(サルバースティバーディンSarvstivdin)は、人間および世界の全存在の構成要素として75の法(ダルマdharma)を想定し、これらの法は自性(じしょう)(自己の本性)・自相(じそう)(自己の特徴)を有し、独立して認識の場に参加しうる最小限の実体であるとした(これを「法が実有(じつう)である」という)。そしてこれらを時間によって変化しないもの、つまり常住なもの(無為(むい)法)と、時間によって変化するもの、つまり無常なもの(有為(うい)法)に分類した。75法のうち無為法は涅槃(ねはん)などの3法であり、残りの72法が有為法である。それではなぜ実有なる有為法が無常なのか。有部によれば法は未来世→現在世→過去世の順序で流れている。未来世の法が因縁を得て一瞬だけ現在世に現れ、われわれに認識され、次の瞬間過去世に落ちてしまう。それゆえ物質(これもいくつかの構成要素、つまり法からなっている)も、われわれには同一のものが長時間存在しつつ変化していくようにみえるが、実は一瞬一瞬よく似た物質が未来世から引き出され現在の現象を形づくっているのである。あたかも映画のフィルムの各コマが一瞬だけスクリーンに映し出されているのに、われわれには同一のものが連続して存在するように見えるようなものである。しかも三世のおのおのにおける法は実有であるという。これが有名な有部の三世実有説である。有部が三世実有説を唱えた理由は、もちろん、無常を刹那滅(せつなめつ)(一瞬ごとに生じては滅する意)ととらえることによって無常の構造を精密に理解するためであったが、さらに他の理由は、過去になされた人間の善悪業(ごう)が未来にかならずその結果を引き起こすには三世に法が存在し続けなければならないと要請されたためである。有部はこのように無常の意味を厳密に規定した。
 のちにおこった大乗仏教の『般若経(はんにゃきょう)』は有部の実有思想を批判し、縁起説に基づいて一切の法は空であり、無常であると主張した。すなわち、部派仏教の有部が三世実有説によって無常を説明したのに対し、大乗仏教の『般若経』では縁起説によって無常を説明したのである。しかし厳密に考えると、法が空であれば、法が生ずるとか滅するとかいうこともできないはずである。なにか実体を考えるからこそ生・滅というのである。それゆえ『般若経』に基づく中観(ちゅうがん)派は「不生不滅」を唱え、無常と常住の区別は無意味(戯論(けろん))であるとした。つまり、無常を観ずることは正しいが、無常に執着することも誤りであるとして、縁起に基づく真の空観(くうがん)を主張した。後の大乗仏教一般も無常について、この立場を保っているといえる。[加藤純章]
『桜部建著「存在の分析〈アビダルマ〉」(『仏教の思想 2』所収・1969・角川書店) ▽梶山雄一著『さとりと廻向』(講談社現代新書) ▽三枝充悳著『初期仏教の思想』(1978・東洋哲学研究所)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の無常の言及

【時間】より

…正確に繰り返される周期変化を標準にして,他の変化や無変化をその標準との比較によって測るのが計時であるが,多くの場合天体の運行がその始まりを構成する。 仏教的な時間のもう一つの特徴は〈無常〉である。この世界のいっさいは〈諸行無常〉,変化し定まらぬ。…

【パーリ語】より

…たとえば,idha〈ここに〉はサンスクリットのihaより明らかに古い。終りに《娘道成寺》の文句などで有名であり,換骨奪胎して日本のいろは歌になった無常偈のパーリ語原文と漢訳をあげる。aniccā vata sankhārā,uppāda‐vayadhammino,uppajjitvā nirujjhanti,tesam vūpasamo sukho.〈諸行無常 是生滅法 生滅滅已 寂滅為楽〉。…

※「無常」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

無常の関連キーワード阿弥陀経サンスクリット劇サンスクリット語サンスクリット文学般若心経瑜伽師地論古典サンスクリットサンスクリット化《サンスクリット大辞典》《サンスクリット文法》

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

無常の関連情報