生命倫理法(読み)せいめいりんりほう

百科事典マイペディア 「生命倫理法」の意味・わかりやすい解説

生命倫理法【せいめいりんりほう】

従来医師には医療行為に関する大幅な栽量権があり,〈医の倫理〉を重視すべきとされていたが,1960年代の米国で〈患者の人権運動〉が起こり,医療行為は患者の自主的判断に沿って展開されるべきであるとの考え方が盛り上がった。〈バイオ・エシックス〉という新語も1970年代にはつくられ,そのための国際学会も成立。このような運動の延長上に,医学医療に関して素人である患者に対しても,医療内容について説明し,その上での同意インフォームド・コンセント〉によって医療を進めるべきであるとの考え方が成立した。日本では,1990年1月,日本医師会生命倫理懇談会が〈説明と同意についての報告〉を出して以来,注目されるようになった。こうした生命倫理の問題を包括する法律はいまだ制定されていないが,医師の守るべき義務を問う訴訟判例という形で問題化されている。
→関連項目バイオエシックス

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